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シードルとは?製法・種類やおすすめ7選を解説
更新年月日:2023/06/27 公開年月日:2023/06/27
リンゴ果汁100%でつくられた醸造酒、シードル。甘い香りとフルーティーな飲み口、そしてアルコール度数の低さもあり、お酒に弱い方や初心者の方に優しいお酒として注目を集めています。
シードルの語源は果実酒を意味するラテン語の「シセラ(cicera)」からきており、ヨーロッパなどのパブではビールとも並ぶほど海外ではポピュラーな飲み物です。
シードルなんて馴染みがない、聞いたことがない。そんな方にも分かりやすく、醸造方法から歴史まで、シードルについてご紹介させていただきます。
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シードルとは?
リンゴを発酵させて造られたお酒であるシードル。歴史はブドウから造られるワインと同じくらい古く、ヨーロッパでは紀元前から醸造されてたと言われています。
11世紀に入ってから、ブドウよりリンゴ栽培向きの土壌であったフランスのノルマンディー地方で定着。その後はヨーロッパ各地、そしてアメリカやカナダでも親しまれるお酒となりました。また、最近ではクラフト醸造所ブームもあり、昨今の日本でもリンゴの産地を中心にシードルが造られています。
また、最近ではクラフト醸造所ブームもあり、昨今の日本でもリンゴの産地を中心にシードルが造られています。
ひとくくりにシードルと言っても、ワインと同様に辛口や甘口など飲み口の違いや、スパークリングワインのような発泡性があるものまで、実にバリエーションは豊かです。
加えて、アルコール度数は2~9%と比較的低く、親しみやすい点が特徴です。健康志向や小麦アレルギーによりグルテンフリー食品への関心が高まる中、グルテン(麦)が含まれない点でもシードルに注目が集まっています。
シードルの種類
ヨーロッパではシードル用のリンゴで醸造されますが、日本やアメリカでは生食用のリンゴが使用されています。それぞれのリンゴの違いや、その風味などについてご説明いたします。
まずはヨーロッパで主流のシードル用のリンゴですが、サイズは100g前後と小さく、種類はSweet(スイート)、Sharp(シャープ)、Bitter Sweet(ビタースイート)、Bitter Sharp(ビターシャープ)と、渋味・酸味・甘味によって4段階に分けられています。
タイプの違うリンゴをブレンドすることで、多様な特徴を持つシードルが出来上がります。
もう一方、生食用リンゴは香りが高く酸味も少なく、口当たりは比較的ライトになります。シードル用のように段階による種別はありませんが、味わいは品種によって異なります。
例えば日本生まれのふじリンゴは甘味と酸味のバランスが良く、また紅玉であれば酸味もあるフレッシュな味わい、というように特徴も様々。
シードル用と同様に、甘味・香り・酸味など異なる特徴を持つ品種を組み合わせることにより、様々な味わいのシードルが造られています。
リンゴは全世界で約15,000種、日本だけでみても約2,000種もあると言われています。ひとくくりにシードルと言っても、その無限大の組み合わせで多様な香りや味わいを楽しむことができるのです。
まずはご自身の好みの傾向、酸味や甘味のバランスなどからシードルを選んでみてはいかがでしょうか。
シードルの製法
収穫
糖度の高いリンゴを使用するので、秋から冬にかけて成熟させてから収穫します。集荷後は外気にさらして、さらなる熟成を促します。
酸味・渋味・苦味・甘味など多様な特徴を持つ品種のリンゴを組み合わせながら味を造るので、それぞれが熟成したタイミングで収穫となります。
圧搾
収穫後は洗浄して粉砕し、細かくした果肉は圧搾機にかけて、ゆっくりと果汁を搾ります。
この搾汁(さくじゅう)工程には油圧プレスや遠心分離式などの様々な方法があり、醸造場の規模などによって異なります。他にも果汁をろ過して透明な汁にするなど、この絞り方によっても味わいが変化します。
発酵
発酵期間は最低でも3か月以上、タンクや樽の中で時間をかけて発酵させます。酵母と果汁の糖分が反応することで、アルコールへと変化させて発酵する方法や、リンゴの自然発酵を利用することもあります。
発酵が開始されると果汁は茶褐色に変化、表面に果肉が浮かんできます。その果肉を取り除き、新しいタンクや樽に果汁だけを移してさらに発酵します。
すると酵母が糖分を吸収し、アルコールと炭酸ガスに変わり、シードルが出来上がるのです。
この発酵期間でアルコール度数が変化し、長ければ長いほど度数が高くなります。また飲み口は残った糖分で決まり、期間が長く多くの糖分を消費したシードルはより辛口になるのです。
瓶詰め・出荷
基本的にワイン瓶に入れて出荷されます。瓶詰めのタイミングは、発酵途中に詰めて熟成車で熟成期間を経て出荷されるもの、最後まで発酵させて糖分と酵母を追加して瓶内で二次発酵させるもの、また発酵後に炭酸ガスを追加するものなど、製品や生産者により異なります。
シードルの産地別の違い
日本で定着しているシードルという呼び名は、発祥の地であるフランスでの呼び方であり、実は国によって異なります。
イギリスではサイダーで、スペインではシードラ。またイタリアではシードレ、ドイツはアプフェルヴァイン、そしてアメリカではハードサイダーと様々な呼び名があります。
他にも製法や味わい、そして飲み方などまで国によって異なり、違いを楽しむのもシードル醍醐味の一つです。
フランス
シードルの聖地ともいわれるブルターニュ地方やノルマンディー地方では、ブドウよりリンゴの栽培に適していたことから古くからシードルが造られてきました。
時間をかけてじっくりと発酵させる「デフェカシオン」製法で、果実味を感じられる適度な渋味のあるシードルとなります。
シードルカップという専用のグラスもあり、陶器で造られたマグカップに似ているもので、間口の広い飲み口から香りも一緒に楽しめます。
また、ノルマンディー地方では、シードルを蒸留して造られる「カルバドス」というブランデーがあることも有名です。それだけフランス文化の中に、シードルが根付いているといえます。
イギリス
フランスのシードルと比べてイギリスのサイダーは、アルコール度数は高く、発泡は弱め。そして辛口のものが多く、タンニンが強めの傾向があります。全体的に甘味・酸味・苦味のバランスがよく、パブではビールと並ぶポピュラーなお酒です。
ビアグラスになみなみと注いで、ビールのような感覚でごくごくと飲まれています。見た目もクリアなものから淡いピンクのもの、イエローやオレンジがかったものまで彩りも鮮やか。
またライトな飲み口なのでパブでは、フィッシュ&チップスなどと一緒に楽しまれることが多いようです。
スペイン
主に北西部での生産が盛んで、“地域のお祭りにはシードルが必須”と言われるくらい地域の伝統に根付いています。スペインではシードラと呼ばれているシードルですが、その種類の豊富さも特徴のひとつです。
原生種(品種の元)に近い強い酸味があるリンゴで造られた、キレのある濃厚な口当たりの“シドラ・ナチュラル”、また炭酸ガスや糖分を加えない“シードラ・ガシフィカーダ”。
ほかにも凍らせたリンゴで造る旨味が凝縮された“アイスシンドラ”、発泡性のある“シンドラ・スパークリング”など、シードラといえども様々な種類があります。
また、高い位置からグラスに勢いよく注ぐ「エスカンシアール」があり、その道を究めた「エスカンシアドール」という達人がいます。
ドイツ
飲み口は甘口から辛口まであり、穏やかで大きな粒の泡が特徴です。
フェルメールの絵“牛乳を注ぐ女”が手にしているような「ベンベル」というピッチャーに注ぎ、切子模様の透明なグラスでいただく伝統的な飲み方もあります。
主な生産地は、ドイツの中央西部に位置するヘッセン州です。毎年夏には、町の中心で“アプフェルヴァイン・フェスティバル”という、イベントが開催されています。
青空の下で屋台やライブ演奏、そして様々な醸造所のシードルが並びます。ドイツではビールの祭典であるオクトーバーフェスが有名ですが、シードルも同様に親しまれているのです。
アメリカ
クラフトビールの火付け役ともいわれているアメリカでも、ビールと同じくらいの人気があります。
主に、太平洋北西部や東海岸、五大湖周辺で醸造されています。シナモンで香りづけしたりするなど、新しいものを作り出そうとするチャレンジ精神が旺盛で、幅広い種類のシードルが存在します。
現地ではハードサイダーとして親しまれており、ノンアルコールの場合にはサイダーと呼称されています。
リンゴは日本と同様生食用の品種を使用しており、みずみずしく爽やかな味わいです。主流は辛口で、クリアなのど越しでビールと同じように大きなグラスで飲まれています。
日本
日本でのシードルの歴史は浅く、1953年に青森県弘前市の吉井酒造で醸造されたのが始まりだと言われています。
このような歴史的経緯から、弘前市はハウスワイン・シードル特区とし、小規模な醸造所が多数新設。そのほか長野県などのリンゴの産地を中心に、シードル専門醸造所が誕生しています。
日本の大手酒造メーカーからは、安価帯で飲み切りサイズでの販売もあり、海外と同様に身近な飲み物となりつつあります。
ふじや紅玉などの糖度が高い生食用の品種が使われることが多く、果実が感じられる繊細ですっきりとした味わいが特徴です。
日本のシードルの文化はまだまだ歴史が浅いため、今後、産地や醸造所によって様々な特徴を持ち、国産シードルが楽しめるようになるでしょう。
シードルおすすめ人気ランキング7選
NO.1ニッカ シードル スイート
内容量:200ml
226円(税込)
国産リンゴ100%使用 甘口シードル
青森産をメインとした国産のリンゴを100%使用した、スパークリングワイン。丁寧に絞られた果汁は熱処理をせず、糖類も加えていないため、リンゴ本来の風味が楽しめるフルーティーな味わいです。
同じブランドからドライもありますがスイートの場合、発酵の段階で糖分を残すことによりリンゴ本来の酸味を引き出した、甘いタイプのシードルです。
口当たりも軽め、200mlというちょうど良い飲み切りサイズも、初心者におすすめしたい1本です。
NO.2ニッカ シードル ドライ
内容量:200ml
226円(税込)
冷やしてキリリと爽快な辛口シードル
No.1とは同じブランド、こちらはやや辛口のドライタイプです。スイートと同じく、国産リンゴ100%で造られています。
発酵を長くしてアルコール度数を高めた、ワインのようなすっきりとしたシードルです。ニッカのシードルでは酵母をろ過する工程で熱処理はせずに、遠心分離機を採用。そのため、フレッシュなリンゴの風味が豊かな味わいのあるシードルになります。
そのまま冷やしでもいいですし、5%と少しアルコール度数が高めなので、氷を入れてロックスタイルでお飲みいただくのもおすすめです。
NO.3ニッカ シードル スイート
内容量:720ml
748円(税込)
パーティーなど、華やかなシーンを彩ります
No1と同様ですが、サイズ違いでのランクイン。100%国産リンゴで造られた、自然な甘さのシードルです。750mlのサイズ感であれば、お祝い事やパーティーなど、ちょっとしたシーンに花を添えてくれます。
弱発泡性なのでグラスは透明、シャンパングラスでお飲みいただくのもおすすめです。
また、スパークリングワインの平均アルコール度数は11~12%と高めですが、本商品は3%と低いため、お酒が弱い方もご一緒にお楽しみいただけます。
NO.4おいしい酸化防止剤無添加ワイン シードル/メルシャン
内容量:500ml
446円(税込)
果実そのままのおいしさを実感できる無添和ワイン
100%果汁を使用し、リアルな果実感を徹底追及。酸化防腐剤を加えずに丁寧に造られた、果実感たっぷりのフレッシュさが特徴です。
アルコール度数5%ではありますが、爽やかな甘さとほどよい酸味もありとても飲みやすくなっています。リンゴの風味を引き立たせるために、あえて甘さを少し控えめに。
心地よい微発泡とリンゴのフレッシュな果実感がたっぷり詰まった1本です。
NO.5酸化防止剤無添加ワイン 贅沢シードル/メルシャン
内容量:290ml
308円(税込)
“贅沢”を表現したこだわり手法
甘すぎない濃い味わいを再現するため、濃厚なリンゴの香りや風味を引き出す“濃厚りんご果汁”と、味に奥行き持たせるよう“焦がしりんご果汁”を使用。よりリンゴの果実感を楽しめる、贅沢なシードルとなっています。
パッケージには濃い緑色に金箔をあしらい、高級感を表現。工程だけではなく、パッケージにもこだわりを見せるまさに“贅沢”なシードルです。
NO.6デュジャーディン オーガニック シードル/レセリエアソシエ
内容量:750ml
550円(税込)
聖地でつくられた、オーガニックシードル
シードルの聖地ともいわれるフランス・ブルターニュ地方で醸造。大規模なリンゴ園を営む生産法人が醸造した、オーガニックタイプのシードルです。
ブルターニュのリンゴは日本と比べて粒が小さく、強い酸味が特徴です。鮮やかな酸味と、すっきりとした辛口となります。
そば粉を使ったガレットに牡蠣やムール貝など、現地の特産品と一緒に召し上がってみてはいかがでしょうか。
NO.7イヴズガーデン サンタラファエラ エクストラ シードラ(シードル)
内容量:750ml
550円(税込)
甘味と酸味を兼ねそろえた高品質シードル
スペイン産のシードルは、原生種に近いリンゴを使用しているため、酸味のキレがある濃厚な飲み口が特徴です。
その中で輝くようなシャンパンゴールドの色味、そして甘味と酸味を兼ねそろえた、フルーティーな香りをお楽しみいただけます。
スペイン産のシードルらしく、ぜひ空気を含ませながら高めの位置より注いでお召し上がりください。シードルは空気に触れることにより微発泡するので、また違った味わいを堪能いただけます。
シードルのおすすめの飲み方
おすすめの温度
シードルは10℃以下に冷やしてお飲みいただくのが理想的です。発泡性のものはよく冷やすとおいしく召し上がれます。中でもアメリカ産などの辛口タイプはよく冷やし、ビールのようにごくごくとそののど越しも一緒にご堪能ください。
比較的アルコール度数は低いですが、お酒があまり強くない方はぜひ、氷と一緒にロックスタイルでお召し上がりください。間口の広いグラスに注げば、シードルの芳醇な香りとともにお楽しみいただけます。
おすすめのグラス
スタンダードなのは、ワイングラスやシャンパングラスです。色味や泡を目で楽しみながら、香りとともにお召し上がりいただくことができます。
また、醸造地での飲み方を参考にしてグラスを選んでみるはいかがでしょうか。例えばフランスではティーカップのような間口が広がった陶器の専用カップで飲むのが主流ですし、ビールのように飲むイギリスやアメリカでは大きめのジョッキグラスで飲むのが一般的です。
生産地によって飲むグラスを変えて、ちょっとした旅行気分をぜひお楽しみください。
おすすめのおつまみ
シードルとひとくくりにしてもワインと同じように甘口から辛口があり、度数や発泡加減も様々あります。アルコール度数は比較的抑えめで、軽くランチでいただくのもおすすめです。
フランスのブルターニュ地方ではそば粉のガレット、イギリスやアメリカではパブでの王道メニュー、フィッシュ&チップスと一緒に召し上がることが多いようです。
またタイプ別で言えば、辛口はライトな料理、例えばカルパッチョなどの魚介類や野菜のグリルなどとの相性が抜群。
逆に、お肉やチーズなどのしっかり目の料理であれば中辛口、スイーツと合わせるのであれば甘口と合わせてぜひお召し上がりください。